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人には演じている部分がある

コラム

人は生きていく中で、社会から見て望ましい姿に映るように振る舞う一面があります。

それはその場にふさわしい仮面を被って『演じている』ともいえるかもしれません。

求められた役割を演じる『ペルソナ』と抑え込む『シャドウ』

このように、人が社会で求められた役割を演じる概念を『ペルソナ』といいます。

そして、求められる役割にふさわしくない自分の一面を抑える概念を『シャドウ』といいます。

どちらも心理学者のユングが名付けました。

ペルソナとシャドウとの間に大きなギャップがあるときに苦しくなることがあります。

または過剰に適応しようとしてペルソナの割合が大きくなると、

ペルソナによって抑えられているシャドウがひょっこり顔を出し、

「本当の自分はどこなんだい?」と惑わせて迷子になることもあります。

ペルソナは社会の中で生きる上で必要な存在ではありますが、

ペルソナに支配されないよう、場面に応じて上手に仮面を使い分けたり、

その着脱をコントロールできることが大切になってきます。

ペルソナとシャドウを共存させるために

ペルソナとシャドウはどちらも自分の大事な一面です。

どちらかを切り捨てるものではなく、ペルソナとシャドウのバランスが保たれるとよいでしょう。

シャドウとペルソナとを仲良く共存させるためには、

自分がどのようなペルソナやシャドウを持ち合わせているかを知ることが必要です。

それは、社会の中で自分がどのように振る舞っているか、振る舞うべきと考えているか、

自分の価値観や所属している社会の風土を知ることです。

そして、社会の中で抑えている自分の一面はどのようなものか、

そもそも抑える必要があるのか、などを吟味できるとよいでしょう。

ありのままの自分を受け入れること

カウンセリングをご利用される方の中にも、

ご自身の振る舞いが何となく上手くいっていないという不全感を抱いていたり、

社会の中で演じていくうちに本当のご自身を見失い、

へとへとになって疲れた状態で来られることは少なくありません。

私がカウンセリングにおいて日々感じるのは、

そのご苦労に対して「本当にお疲れ様です」という思いとともに、

ご自身を疲弊させた考え方や行動そのものは、

同時にご自身が今日まで生きるために頑張ってこられた一面でもあるので、

大切にしてほしいという願いです。

ご自身がどのような価値観や捉われの中に身を置いていて、

どういった一面があり葛藤しているのかを一緒に整理していく中で、

最終的には『ありのままの自分』を受け入れられるようにお手伝いできれば幸いです。

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